オーロラは、北極の最も心に残る顕著な自然の魅力の一つとして認められています。何世代にもわたり、人間はオーロラに驚嘆してきました。最新技術の力により、現代の観光客は、飛行機やクルーズ船に乗ってオーロラを見る旅に出ることができるようになりました。しかし、オーロラの性質と、それらが最も頻繁に発生する場所の性質により、オーロラを見学することは安全なのかと疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

答えは安全です。オーロラが人間にとって危険となりうる状況は限定的にありますが、それらが発生する頻度はごく稀であるため、お客様がそのような状況に遭遇される可能性は低いです。 お客様が危険に直面するとしたら、それはオーロラ自体に起因する危険ではなく、北極圏の気候によるものである可能性の方が高いでしょう。そこでオーロラを観賞する際に安全を担保する方法をご紹介します。

オーロラの観賞は安全ですか?

オーロラは、地球の太陽との相互作用によって発生します。太陽は定期的に太陽風を発します。太陽風とは、太陽系の外に向かって放射される微粒子流を表す科学的用語です。太陽風は多量の放射能を含み生命にとって致命的ですが、地球の磁気圏は太陽風を中和または反発することで、それが地球の表面に到達するのを防いでいます。磁気圏は、地球の周囲を覆う目に見えないバリアーで、地球の磁場によってできます。

磁気圏のかなりの部分は大気圏外の空間に延びていますが、磁気圏は地球の磁場によって形成されているため、地磁気の2ヶ所の発生位置である北極と南極で大気と交差します。太陽風がこれらの位置で磁気圏に干渉すると、大気中の粒子との相互作用が目に見えるオーロラとして発生します。

すべての物質は原子によって構成されており、原子自体は陽子、中性子および電子という3種類の粒子によって構成されています。陽子は正の電荷を帯びているのに対し、中性子には電荷がありません。両方とも原子の中心にある核の中にあります。電子は負の電荷を帯びており、地球が太陽を周回するのと同じように核を周回します。

太陽風として電荷を帯びた粒子が空気中の原子に当たると、それらの粒子は励起され、電子が核からより離れた高エネルギーの軌道に移動します。原子が励起状態ではなくなると、その電子は通常の軌道に戻りますが、その過程で光の粒子である光子を発します。大気中の無数の原子がすべて同時に励起状態になると、これによりオーロラとして知られる現象が発生します。このプロセスはネオンライトとの仕組みと同じです。ネオンライトでは、電気を使ってチューブ内のネオンガスが励起され、これによりネオンが発光します。

オーロラは危険な印象を与えるかもしれませんが、危険ではありません。太陽風は大気中でも非常に高い高度で放射されるため、地上にいる人間にはいかなる脅威も及ぼしません。人間は、いかなる悪影響も経験することなく何千年にもわたってオーロラを観察してきました。そして現代科学が出現する前にオーロラをめぐる多数の神話や伝説が生まれました。

オーロラは膨大な量の電気を放出するため、時折人間のインフラストラクチャーや電子機器に脅威を与えることがありますが、そのようなことが起きるのはごく稀で、そのきっかけとなりうるのは太陽嵐だけです。知られている最後のこの規模の太陽嵐は1859年のキャリントン・イベントで、北半球の大部分でオーロラを観察することができましたが、これにより電報の電線が損傷したり火花を発したり、自然発火が発生しました。強力な太陽嵐はコンピュータやその他の電子機器に対する脅威となる可能性がありますが、多数の国は、電力供給網を星間干渉から保護するために何十億ドルもの資金を投資しているため、人間のインフラストラクチャーを太陽活動に対して「硬化」することが可能です。

オーロラも、その付近やその中を通過する航空機に対し脅威を呈する可能性がありますが、オーロラと交差するのに必要な高度で飛行する必要がある航空機はないか、あったとしてもごく少数であるため、それが発生する可能性もきわめて限られています。万が一そのような高度で飛行する航空機があったとしても、その高度を維持する時間はあまり長くありません。航空機は損傷を受ける前に下降してしまうため、損傷が生じる可能性は低いでしょう。北極圏の人口は少なく、北極圏を通過する多数の航空路線は冷戦の終了後廃止されたため、このタイプのフライトは稀です。

お客さまがオーロラの観察時に直面する可能性が最も高い危険は、北極圏の極端な気候に関係するものです。オーロラは冬季にしか観察できないため、旅行中には極度の低温にさらされることになります。北極圏の天候は非常に予測不能で、短時間で変化することがあります。

オーロラ観察時に安全かつ暖かい状態でいられるよう、厚手の服を重ね着してください。これにはコート、手袋、帽子、スカーフ、その他寒さをしのぐために必要なあらゆるものが含まれます。多数のオーロラ観賞地は非都会または孤立した地域にあるため、雪の中でも歩けるように良質な靴やブーツを持参することをお勧めします。また、コーヒーやホットココアのような温かい飲み物を飲むといいかもしれませんが、選択するツアーのオペレーターによっては、ホストによりそれらが提供される場合もあります。

まとめ

人間は何千年にもわたりオーロラの観察や記録をしてきたため、オーロラ自体は完全に安全に鑑賞できます。オーロラが時としてもたらす危険は非常に稀であるため、あなたがそれに直面する可能性はほとんどありません。オーロラの観賞時に留意すべき最も重要な事柄は周囲の天気です。オーロラ観賞の旅ができるだけ快適になるように、適切な服装をして、極寒と雪に備えてください。これらの準備を行えば、オーロラ観賞の旅は人生で最もエキサイティングな機会の一つとなるでしょう。